『TGCOM24』による2021年5月28日現在のイタリアの新型コロナウイルスのワクチン接種状況を見てみましょう。28日は、1日で過去最高となる57万950回の接種が行われ、これまでの接種実施回数は合計3377万194回に到達しました。
イタリアの人口は約6000万人で、おおよそ5人に1人にあたる19.57%の人が少なくとも1回の接種を受けたことになります。すでに2回の接種を終えた人は、1159万6495人に上りました。このためイタリア国内における感染状況は改善しており、29日の新規感染者数は3300人、集中治療室に入院中の患者は1000人弱。死者数は2021年に入って3度目となる100人を下回る人数となりました。
イタリアで導入が進むグリーンパス
一方でワクチン接種済み(もしくは回復者または検査の陰性者)であることを証明するグリーンパス(正式名称は“certificazione verde”緑の証明書)の導入が進められています。イタリアでは、それぞれの地域を感染状況に応じて、「ホワイトゾーン」、「イエローゾーン」、「オレンジゾーン」、「レッドゾーン」に区分けしていますが、29日、規制がソーシャルディスタンスとマスクの着用のみとされているホワイトゾーンにおいても、結婚披露宴を行う場合は、グリーンパスが必要となることが決定しました。
飲食店におけるマスクのタイミングは?イタリアの感染対策ガイドライン
また政府の科学技術委員会や各州の専門家により、各州における感染対策のガイドラインの見直しが行われています。29日の報道で明らかになった内容を見てみましょう。あらゆる業種において、労働者のマスクなどの着用や、清掃、手指の消毒の義務が求められるほか、建物の容積や換気に応じて最大収容数を決定しなければなりません。さらにイベントが行われる際には、来場者のリストを14日間保存することが求められます。
さらに店や映画館、劇場、ジム、見本市や会議場などでは、来場者の体温測定が推奨され、来場者用の手指消毒液を設置するよう求めています。また飲食店では、1テーブル4人までとされていた規制が緩和されますが、飲食店ごとの最大人数やテーブル間の距離などを守らなければなりません。さらに利用者についても、店内への出入りやトイレに立つ場合、支払い時などの移動の際にマスクを義務化しています。
これから夏に向けて海水浴客の増加が予想されますが、ビーチについては、ビーチパラソルを設置する際に1本につき10平方メートルの範囲を確保するよう求めています。許可されるアクティビティは、サーフィンやカイトサーフィン、フレスコボールのみ。人々が密集する可能性がある他のすべての娯楽スポーツを禁止しています。温泉施設については、2メートルのソーシャルディスタンスを保ち、適度な換気、1日の間に頻繁に施設の清掃が行われる場合につき、シャワーの利用が可能になります。このほかケーブル輸送については、ゴンドラリフト、ロープウェーは最大収容人数の50%での運行が求められる一方、チェアリフトに人数規制はありません。マスクの着用はすべて義務となります。
参考文献
『TGCOM24』
『Il Sole 24ore』
『Rainews』